Toyroメンバーのリレー・コラムです。ぜひ、お楽しみください!(代表・横川理彦)
つい最近、人生二度目の入院をした。病気や入院の事をリアルタイムでSNSやブログで書くのは、僕は好きではないタイプなので、今回、全快したので書こうと思ったのだけど、それなら一回目の入院の話も実はまだ一度も書いた事がない。これもおもしろい話だったので、まずは一回目の昔の入院について。
20年以上前のある日、朝起きたら、今まで体験した事のない様なものすごいめまい。世界がグルングルンと回っている。船酔いどころの話ではなく、まるでジェットコースターか、R-360(筐体が回転するSEGAのゲーム機)に乗っている様な、あるいは夢の世界に迷い込んだ映像の世界。立っていられない。
そういえば昔、母親がめまいに苦しんでいて、メヌエール病という病名だったのを思い出す。遺伝があるとしたらその可能性もある。という事で近くにメヌエール病に詳しい某病院があったので、そこでみてもらう事にした。
最新鋭の3DのMRI検査をやらされて、即「メヌエール病です。今すぐ入院してください」との診断。
しょうがなくそのまま入院。
初めての入院で、当時は携帯やノートパソコン、WiFiを使って病室で仕事をする事も出来ず、非常に不安だった。一体このままいつまで入院する事になるのか?しかも病院はボロくて、暗くて居心地が極めて悪い。
何より不可解だったのは、何の説明もせず、高圧的に即決で病名を決め、すぐに入院を告げられた事。
素人だけど「そこまでひどい病状か?」「あの先生、偉そすぎる」。
一日で耐えられなくなり、次の日の朝、脱出する事に。
「先生、申し訳ありませんが、退院します」
「それはだめです」
「いや、します、絶対にします」
「なら、誓約書を書いてください」
「わかりました」
検査だけで何の治療もなしだったが解放された。
最新鋭3DのMRI検査料、入院一泊(病院は泊数ではなく日数計算するので二日間)は高かった。
退院するや、その足で耳鼻科に直行した。
いわゆる「セカンド・オピニオン」だ。
めまいが起こるのは「三半規管」の問題では?という、なんとなく知識はあったので耳鼻科を選んだ。
どこにでもある町の耳鼻科の先生は「あ~~~、多分、耳石とれてますね~~~!体操しましょう~~~!」と、診察台で首を下にしたり、斜めにしたりする体操の方法を教えてくれた。
そのまま帰宅しこの体操を何度か繰り返したら、2日後にはすっかり全快してしまった。診察料は数百円だったかな。
耳石というのは(専門家じゃないのでネット情報ですが)、内耳にある炭酸カルシウムの結晶(石)で、これが加齢やストレス、何かの衝撃で、はがれ落ちて、平衡感覚を司る三半規管に迷い込み、液体(リンパ液?)の中をさまよい動いて、いろんな所に当たって平衡感覚が麻痺するらしい。
この石を正しい位置に戻す為に、頭を斜めにして45度で30秒、次にこっち向いて30秒といったルーティーンの体操をして、重力を利用して耳石を本来の位置に戻すのだ。
戻ったらゆっくり起き上がるとめまいもなくなり、元の位置で石が徐々に吸着していく(医学用語わからないので、なんとなくそんな感じ)。
正確には「良性発作性頭位めまい症」というらしい。あのまま入院していたら何日入院させられいたか?いくらかかったか?考えるだけで恐ろしい。
まだそれほどネットの情報がない時代だったけど、それでも検索していたら、まずは耳鼻科に行っていたかもしれないと思うと悔やまれる。そしてセカンド・オピニオンの大切さを痛感しました。苦しんだ母親も、もしかしたら、僕と同じ軽い病気だったのではないか?昔の医学では解明出来ない事もあっただろうが、、、いや、その後すっかり直ってた事を考えたら、やはり耳石が取れただけだったに違いない。
「良性発作性頭位めまい症」の体操の方法
その後20年で2~3度ほど同じ症状があったけど、焦らず、体操で毎回、すぐに直す事が出来た。
もし、突然めまいに襲われたら、一度、こちらも疑ってみていただきたい。
もちろん本当にメヌエール病の方が、誤解をされては困るし、めまいは、他の病気の症状としてもあると思います。あくまでも私の場合、たまたまそうだったという話である事をご理解お願いいたします。
いろいろな病気で似た症状がある、セカンド・オピニオンの大切さ、という話でした。
次回は、昨年末の二度目の入院について書こうと思う。