Toyroメンバーのリレー・コラムです。ぜひ、お楽しみください!(代表・横川理彦)
私は、小中高時代、カトリックの学校に通っていました。洗礼こそ受けていませんが、12年間も日常的に賛美歌を歌ったり、授業で聖書を読んだりしていたので、心の奥底は常にキリスト教的思考なのでは?と感じてもいます。また、近所の浄土宗の幼稚園にも通っていましたが、その時はまだ幼過ぎたせいか?『お釈迦さま』『甘茶祭り』のワードぐらいしか心に残っていません。両親は神棚も仏壇も何も置かない完全なる無宗教で、他所から賃貸として引っ越してきたため、地元の氏神様も関係なく、宗教行事は一切家庭では行われませんでした。クリスマスに関しても、私と弟が幼い頃だけ「子供が喜ぶから」と小さなクリスマスツリーが飾られたり、プレゼントをもらった記憶もありますが、途中からは何もしなくなりました。そんな私にとって、学校で行うクリスマスミサは内心大変な感動行事で、生徒達の聖劇を見たり、大勢で賛美歌を歌うのが楽しみでした。聖母の月の曲とクリスマスの曲には名曲が多く、先鋭の生徒達で組まれた聖歌隊の歌にうっとり聴き惚れたり、生徒全員で歌う時はいつもとても感動した記憶があります。普段、友達と無駄口ばかりの私でも、そんな時だけは神妙にしていたと思います。今、学生時代に戻りたいとは全然思いませんが、皆で美しい賛美歌を歌っていたあの日常はとても恋しいです。
そんなクリスマスが恋しくて、27年前に自分のソロライヴで歌った「ああベトレヘムよ」です。
他のメンバーやお客様に何の説明もなく、1曲目で、いきなり、私が家で作った多重録音コーラスが流れ、正直あまり居心地が良くなかった人がいらしたかもしれません。突然、「み子なるキリスト生まれたもう」だの「罪深き世」だの歌われてもですよね。とはいえ、私にとっての居心地のいいクリスマスは、こういう歌を皆で歌う事でした。
カトリックに関しては、30代の頃、念願のバチカンに、イタリア一人旅中に訪れましたが、あまりの豪華さに食傷気味となり、もっと「謙虚さ」に包まれた私の出身校のやり方が好みであると再認識できました。(今現在は無宗教です)私にとってクリスマスとは、寒々とした慎ましい空間で賛美歌を静かに歌う感じが好ましく、華美な祝い事ではないのです。子供達のささやかなお楽しみ行事としては大賛成ですが、大人のクリスマス騒ぎには興味が湧きません。
そんな私の気持ちがこもった「クリスマスのうた」です。
絵・山本久美子、演出・武嶋公江、作詞曲・あらきなおみ
「クリスマスのうた」は、最初、So-netの”Story Gate”の為に2000年頃制作されました。
キャプションも当時のままで、編曲具合は今と全く違うものです。歌詞も一部違います。この時にはこれがベストと思って制作しているので、聴く人によって好みは分かれると思いますが、悔いはないです。途中絵の中で登場する動物達は、”Story Gate”で私が何作か発表した作品の主人公達です。だいぶ昔に公開終了してしまっていた”Story Gate”ですが、2023年、関係者の尽力にて、youtube上で復活しました。私も久しぶりに昔の「クリスマスのうた」を観ることができ、「こんなアレンジだっけか?!こんな感じの絵だったっけ?」と驚きました。大好きな絵本作家山本久美子さん版を観てから、私の拙い絵版を観ていただくのは、自分としてもだいぶ抵抗があるんですが、当時、制作の機会を与えてくださった方々に多大なる感謝の気持ちを表し、ここにリンクすることにしました。当時の関係者の皆さま、自由にやらせてくださって本当にありがとうございました。
2024年も終わり間近ですね。暮れに寄せて、このような曲も書きました。
皆さま、良いお年をお迎えください。
「年の暮れに」