Toyroメンバーのリレー・コラムです。ぜひ、お楽しみください!(代表・横川理彦)
2024年に映像化される映画やドラマ、もしくは続編が公開される映画やドラマの中で、わたしが気になっているものを半ばNetflixの回し者となりながらぼんやりと書いていこうと思っているのですが、主旨が主旨だけにネタバレを含んだ内容になるかと思いますので、そのあたりについて気になる方は勢いよく読み飛ばしていただけると幸いです。ということで、
まずは、Netflix ドラマシリーズとして今週から公開される『三体』。原作は中国のSF作家 劉慈欣による同名小説で、全世界で3000万部近い売り上げを記録した大ヒット作です。SF小説と銘打ってはいるものの、アクションやサスペンスに始まりスペースオペラ的な展開まで広がる縦横無尽のエンターテイメント作品となっており、そういったものがどう映像化されるのか、原作の読者としては気になるところ。
大ヒットしたSF小説という括りで言えば、映画化が決まっている『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の撮影もそろそろ始まっているはずで、こちらも楽しみです。
Netflixのドラマといえば、『ストレンジャー・シングス』のシーズン5が今年中に公開され、8年に渡って続いてきたシリーズが完結するのだそう。ファーストシーズンからここに至るまで、オカルトの要素を様々な形で引用しながら徐々に物語をスケールアップさせてきたダファー兄弟の手腕は見事の一言で、最終シーズンとなる今回もこちらの期待を上回るものを見せてくれるに違いない、そうだといいな、そうであってほしい……と思っております。
それにしても、情報化が進んだ現代においてオカルトというジャンルを成立させることは非常に難しいことだと思うのですが、そういった状況を半ば逆手に取りながら、オカルトを一種のファンタジーと再定義した今作のヒットは、今思えばとても興味深い出来事でした。
続いて、Netflix ドラマシリーズ『クイーンズ・ギャンビット』がキャリア的な出世作となったアニャ・テイラー=ジョイ主演による『マッドマックス:フュリオサ』。2015年に公開された『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のメインキャラクター、フュリオサを物語の中心に据えたスピンオフ・前日譚ですが、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の低偏差値かつ野蛮な世界観の中で、おしゃれ極まりないアニャ・テイラー=ジョイがどのようにフュリオサを演じるのか……想像しながらワクワクしたいのにすごく想像しづらい組み合わせで困ってしまいます。もうジョージ・ミラー先生を信じるしかない。V8!V8!V8!信仰心が試されますね。
最後に、藤本タツキさんの読み切り作品『ルックバック』がアニメ映画化され、6月に劇場公開されるとのこと。「同じ志を持つ者に(もしくは、その志そのものに対して)理不尽な悲劇が起こった時、わたしたちはどうすればいいのか。それでも作ることに意味があると信じて前へ進まなければいけないのではないか」。そのようなメッセージを、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のフォーマットを発展的に引用する形でエモーショナルに表現した今作の映像化がどのようになされるかは、作品のひとりのファンとして思わずあれこれと想像を巡らせてしまうのですが、とはいえ、わたしが何かを考えたところでどうしようもないので、「黙って6月まで待つ」というシンプルな解決方法を駆使しながら気持ちのコンディションを整えていきたい所存です。
以上です。未確定の未来をごちゃごちゃと考えることもまた一興。「こういうのもたまにはいいよね~」と虚空に向かってひとり呟きながら筆を置こうと思います。