Toyroメンバーのリレー・コラムです。ぜひ、お楽しみください!(代表・横川理彦)
「おっさんずラブ」が好きです。
2018年の「おっさんずラブ」で夢中になり、Blu-rayボックスを購入したぐらいです。当時繰り返し繰り返し飽きずに何度でも観ていました。
その後、「劇場版おっさんずラブ~LOVE or DEAD~」 「おっさんずラブ in the sky」と続きますが、最初の「おっさんずラブ」のようには夢中にならず、すっかり忘れた頃合いの2024年、新作「おっさんずラブリターンズ」が始まり、このテキストを書いている時は、8話目が終わり最終回を待つばかりとなりました。HDに保存し、繰り返し繰り返し毎日見続けています。特に最初の1~2話などあまりに何度も見過ぎて、「大好き、もう一回見よう」から、いつの間にか、「この素敵な世界に自分の居場所はない」「この美しい人達に比べて自分はなんと魅力のないつまらない人物か」と落ち込むところまで行ってしまいました。そこから、ある友達の若い頃の話を思い出しました。当時20代で暇を持て余していたその人が、「いったい人間は何時間続けて眠り続けることができるのか?」試してみたのだそうです。細かい数字は忘れましたが、3日目ぐらいから悪夢や妄想に苦しむようになり、食事やトイレのために起きてみても、悪夢と現実との境目がわからなくなり、すごく嫌な気分だったそうです。「もう二度とやりたくない」と言っていた気がします。多分、友達の中に2人ぐらい同じ事をやった人がいて、同じような事を言っていました。若い人は試してみてもいいかもしれません。ある程度の年齢になると、「正月ずっと暇だから何時間でも寝てやる!」などと思っても、残念ながら普通の時間に起きてしまいます。若くはない人が3日間起きてこなかったら、もうその人は死んでいると思います。
「おっさんずラブ」の話から離れてしまいましたが、誰にでもお気に入りの映画やアニメ、ドラマ等があり、飽きずに何度でも鑑賞することがあると思います。そういうことを現代語でどう表現するのか検索していたら、「うちの子は同じ動画しか見ない」とお子さんのことを心配して相談するお母さんの記事が沢山見つかりました。あれ?みんな同じ映像や同じ曲を何度も繰り返さないのですか?何か病的なことなのでしょうか?と今度は私自身の事が心配になり、また検索していくと、同じ理由で「私は病気でしょうか?」と質問している大人がいて、「そんなことはありません」という答えをもらっているのも読みました。まあ、そうですよね。ということで、「おっさんずラブ」の他に、繰り返し観続けた作品は何だろうか?と自分の本棚に目を向けてみました。
順不同。「恋をしましょう」、「王子と踊り子」、「殿方ご免遊ばせ」、「おかしな二人」(1967年のほう)、「裏窓」、「Super Model’s Catwalk」(1996)「パリのレストラン」(1995)です。これらは「また観てんの?」と家族に言われるぐらい繰り返し観ていました。それぞれ、回数にしたら多分「おっさんずラブ」を遥かに超えています。夢のように楽しくなる作品ばかりです。こんなに繰り返し観ている作品なのに、「好きな映画は?」と聞かれて思い出さないのが不思議とも思います。古い作品が多いのは、若い頃の方が圧倒的に時間があったからです。今は、2時間近い映画を毎日飽きずに観る時間はなかなか取れません。昔と違って忙しい、ということではなく、そういう時間の使い方ができなくなってしまいました。
話がどんどん逸れて、「おっさんずラブ」を繰り返し観続けて、悪い精神状態になった話を放置していましたが、ドラマが何話分も進むに従って1話1話の繰り返し間隔が延び、単なる娯楽として楽しむところまで落ち着きました。考えてみれば、15年ほど前、「ER緊急救命室(米ドラマ)全話ぶんのDVDだけあれば老後が過ごせる」と公言していたのを思い出します。当時はそれほどまでに好きだったのです。結局、ERに関しては、『DVDボックスでなくてBlu-rayボックスが出たら買おう』と思ったまま、もう観なくてもよくなりました。
ちなみに、今現在、全話分Blu-rayに保存しているドラマは「北の国から」、「ダウントン・アビー」、「ヴェラ~信念の女警部」、「サウスランド」、「ライン・オブ・デューティー」ぐらいです。
結局、どうして「おっさんずラブ」がそんなに好きか何も書きませんでした。好きなもんなんてそういうもんですよね。