Toyroメンバーのリレー・コラムです。ぜひ、お楽しみください!(代表・横川理彦)
私が幼児の頃(1960年代半ば)、キンダーブックのレコード付き絵本を定期購読していました。とても色合いが美しく、子供心に大きな影響を受けました。タイトルも内容も何一つ思い出せませんが、付属のレコードを繰り返し聴きながら絵本をめくっていたことだけ、いつもフラッシュバックします。その強い印象を表現したく、30代の私はレコード(CD)付き絵本を出すことに執着していました。言い訳でしかないですが、30代は、すでに音楽の方が本職でしたし、美大グラフィックデザイン卒にしては、画力がないことは自覚していて、絵は必ずしも自分で描きたいわけじゃなかったのです。当時、弊社マネージメントの三宅治子と出会ったばかりで、三宅が色々尽力してくれて、「曲と歌を担当したいので、CD付き絵本を一緒に作りませんか?」とイラストレーターの方に連絡をとったり、「このような企画を持ち込ませてください。出版させてください。」と、出版社の方に会ったり、アニメーション制作会社の方に見ていただいたりしました。当時も今も、私はあまり人望が厚い方でなく、結局、絵を描く人に出会えず、「画力ないなー」と思いつつも、自分で描くことにしました。そんな時期、絵本や童話を発信するSo-netの会員制サイト『ストーリーゲート』に作品を出させていただくことになり、ありがたい事に、次から次へと、拙い作品を発表させていただきました。今思うと、絵本の大家の方々の中、私を心細い気持ちにもさせず、のびのび作らせていただき、なんと、有り難い場所だったのだろう!と改めて感謝の気持ちでいっぱいになります。
『ストーリーゲート』に関しては、ディレクター佐藤真也さんがわかりやすく説明していらっしゃいます。
私が当時執着していたのは、「お子さんが歌を聴きながら、自分の手で絵本のページをめくる」という点で、前述の理由とともに、音の方も、2023年の現在、自信を持ってお勧めするには程遠いのですが、20年以上経てせっかくの一般公開になったので、是非是非ご覧ください。(30年近く前、私の声も今より出ています。「若かった!」)
この曲が一連の「CD付き絵本を出したい!」の第一号でした。小さい頃、水槽で小さなカエルを飼っていたのですが、夏に掃除を怠ったため、ある朝、汚れた水の中で可哀想な事に死んでしまっていました。一生、残像が焼き付いています。それ以来、小さな生き物の命を大切にしなくてはいけない、と、ずっとずっと思い続けています。タイムマシンがあったなら、「あの水槽を掃除する」か、「カエルを捕まえて連れ帰らずに、野山で自然のまま眺めるだけ」のどちらかをやり直したい。
野毛山動物園は、こじんまりした愛すべき動物園です。25年ほど前の野毛山動物園のカグーの小屋には、今よりたくさんのカグーがいて、忙しなく歩き回ったり、意外と攻撃的な素振りを見せたり、と、何十分も見ていて飽きなかったところから、この曲を作りました。
人間は、なかなか素直になれないものです。動物達の求愛行動を見ていると、あきらめず、失敗しても挫けず、「振られたら恥ずかしい」なんてありません。
50代になった今でこそ、一人旅やひとり飯の魅力がわかりますが、30代になったばかりぐらいの私がイタリア一人旅の心細い間、偶然入った大当たりの小さなレストランでホッと一息つく時の喜びはとてもデカいものでした。その幸せな瞬間の歌です。
子供の頃の夏休み、冷たい飲み物のがぶ飲み、アイスキャンディやスイカを食べ続け、「もうじきお腹壊すに違いない」と分かっていても、また冷たい飲み物を飲み、とうとうトイレで脂汗をかく羽目になったことがありませんか?私は、毎回懲りずにそういう子供でした。