Toyroメンバーのリレー・コラムです。ぜひ、お楽しみください!(代表・横川理彦)
少し前に「ブレイキング・バッド」(以下BB)を勧められたので見た。見たと言っても!ものすごく話数があるので少しずつ。漫画でもそうだけど、長編ものの最初のうちって「これってそのうち面白くなるのかな...」と不安になりますよね。
BBもそうだった。1話目でどうなんだろう、自分はこのまま見続けられるのか?と思ったけど、何人もの人が「面白い」と言ってたし、次のも見てみた。2話目で、もうやめられなくなった。面白い!そのうち続けて見過ぎちゃわないように気を付けるほどになった。少し前に見た「ゴシップガール」もそうだけど、登場人物も多く、名前も全員カタカナなので覚えられない。みんな外国人だからカタカナなのは仕方ないけど、ふだんの生活の中で比較的人の名前や顔、その人に関するエピソードを覚えている方の自分なのに本当に覚えられない。
なんとなく印象が似ている人がゴッチャになり、ぼんやりとしたまま話が進んでしまう。BBの場合は坊主頭というかスキンヘッドがたくさん出てくるので、かなり困難さはあった。細かいところはぼんやりしているけれど、それでもとても面白かったので見てよかった。細かい伏線を見落としている可能性もあり、なんでこうなるんだろうというところもちょこちょこあるので、もう一度確認しながら見たいと思う。
海外ドラマ、あんまり見たことがないので俳優勢も知らない顔ばかり。そのせいか、とてもリアルに思えた。これが主人公がブラッド・ピットやトム・クルーズだったらどうだろう。
--ブレイキングバッドのあらすじ--
家族に金を残したい―。ガンで余命宣告された冴えない高校の化学教師が、元教え子と組みドラッグ精製と売買に手を染める。
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冴えない高校の化学教師って言ったって、本当はすごくかっこいいブラッド・ピットががんばって冴えなくしてるんでしょう?という気持ちになると思う。今回主演をやっている俳優(名前が覚えられてない)、普段はもしかしたらかっこいい人なのかもしれない。女優も美しい人なのかもしれないけど、このドラマではみんな本当に冴えなくてよかった。本当に美男も美女も出てこない。まあ美的感覚は人それぞれなので一概には言い切れないけど、美男美女が出てこないところがすごくリアルで。日常の中ではそういうのが普通だと思った。アメリカの漠然とした、とってつけたような住宅街に郊外の憂鬱さを感じ、つられてどんよりした。
わたくしは夏にコロナにかかって、その後わかりやすく後遺症が残った。症状は味覚と嗅覚異常。さすがに倦怠感はもうなくなったが、感覚が妙なままだ。味覚は徐々に戻ってきているものの、ものすごく鈍い。何重にも膜がはったような感覚でもどかしさがある。「味噌汁はたしかこんな味だったはず」と過去食べたことがあるものは記憶で補っているのだと思う。嗅覚の方はもっとひどくて、他の人は全く感じない「たばこの匂い」をずっと感じている。確実にそこにはたばこの煙はない。最初は後遺症だと全く思わず、なんか最近たばこ臭いな、と思っていただけだった。私は一度もたばこをやったことがないので、たばこの匂いイコール副流煙なんだけど、どこもかしこもたばこ臭い。世の中いろんな場所が禁煙になったはずなのに、こんなに最近たばこ臭いのは何故?と不思議だった。完全禁煙のスタジオがたばこ臭かったのが不思議で、ここ喫煙OKになったんですか?と問うと、いやいや完全禁煙ですから、と。もしかしてそれ後遺症では?と言われて、アッ!と思った。それまで全く気がつかなかった。嗅覚異常というのは匂いを感じられないだけだと思っていたが、幻臭もそうだったのか。検索したら同じような人がたくさんいて、そうかこれも後遺症というやつなのかと腑に落ちた。コロナ罹患は7月だ。熱もさがり、倦怠感ももう無くなった。しかし、11月10日現在、いまだにたばこ臭い。けむりに巻かれて暮らしている。来年はたばこの匂いがしませんように。
そんな後遺症の中でBBを見始めて、私は少し弱ってたのだと思う。自分はまだ余命わずかとかではないけど、そんな状況になったら、主人公と同じように息子にお金を残したいと思うだろう。気持ち、わかるうと思った。主人公の息子はうちの息子と同じ高校生だ。高校卒業したら大学に進学すると学費にいくらかかるという話もリアルだ。
「家族に金を残したい―。ガンで余命宣告された冴えない高校の化学教師」という部分に共感を強く持って、ちょっとしんみりとした気持ちに。お気持ちわかります。わかりすぎてます。
しかし、ドラマが進むにつれ、見れば見るほどそそんな話ではなくなって。そんなほっこりハートフルストーリーではないのはもちろんわかっていたものの、予想以上の展開にびっくりした。「元教え子と組みドラッグ精製と売買に手を染める。」こっちの方をあんまり気にしてなかったので本当に仰天してしまった。ギャップという意味で言うと、たぶん他の人よりも大きいギャップを楽しめたと思う。
ドラマのことはどのくらい書いちゃうとネタバレなのかよくわからない。このくらいなら問題ないですよね?自分はネタバレぜんぜん気にならない方なので、どのくらいが境界線なのかよくわからない。例えば桃から生まれた男の子が立派に成長し、将来鬼退治に行くという話はネタバレなのかどうか。桃から生まれる性別からして曖昧にしておくべきなのか、そもそも桃から生まれるという設定すら言ってはいけないのか。桃くらいはありですよね。
桃から生まれたある人物が長じて悪を打ち負かし社会平和のために奮闘する、感動のヒューマンドラマ。
という感じでしょうか。全年齢が大丈夫かなと思いつつ、鬼に対する暴力や略奪行為もあるので、PG12くらいが妥当なとこだろうか。
トイロのココロを書くのは今回で何度か目なのだけど、数人の人から「なんかいつもとちがう」という感想をいただいた。FB、Twitter、また過去はmixi、自分のホームページ(昔すぎ)と比べて、どうも自由じゃないという。ココロのハルコには自由がないといふ...みたいに言われて、それは自分でも感じていた。ここは会社のだしな、自分のとこなら好き放題だけど、変なこと書いて会社の人たちに突っ込まれたらヤだし...そう思うとやはり緊張してしまう。今回はFBの「三宅治子さん、その気持ち、シェアしよう」というところに書いてそれをコピペしてみた。「その気持ち、シェアしよう」って言われてもな、と毎回思うけどテキストエディットで書くよりもそれなりに自由な気持ちになるのが不思議だった。
本人的には自由度が増したような気がするけど、どうでしょうか。自由であり、かつ炎上しない、怒られないという加減は非常に難しいと日々感じています。