Toyroメンバーのリレー・コラムです。ぜひ、お楽しみください!(代表・横川理彦)
握力が「17kg」だった。10歳女児の平均値だった。
スーパーの前でやっている「体力測定」だから、当てにはならない。
おそらくスポンサーのジムか何かに誘導するため、低めにでるよう細工などされているに違いない。
とはいえ、肩を痛めてから重いものは全く持てなくなった。
やっとライブにぼちぼち復帰しているが、12kgあるTonal Plexus微分音キーボードは、もう持ち運べない。もともとは8kgの仕様の楽器であるから飛びついて注文したものの、「日本の湿度の高さを考慮して、木材を良質なものに変更」してくださったおかげで、重くなってしまった。カスタムメイドならではのありがたさではあるが、ちょっとショッキングな想定外だった。
楽器メーカーは「持ち運び」がどれほど大事な要素か、わかってほしい。
仕様に重量が書いてないのは、とっても困る。
更に、本体は軽くて小さくてスタイリッシュなのに、でかくてブサイクな電源アダプターがドカーーンとついてきた日には、もはや絶望しかない。
というわけで、先日の、楽団「あまぎつね」(沢田譲治Bass, 渡辺亮Per, 冷水ひとみDanBau+KB)のライブは、新たな「軽量セット」で臨むことにした。
Tonal Plexus (12kg)は、Roli Seaboard Block (707g)+MacBook Air11inch(1.1kg)プラス電源アダプターで、計、約2kgにウェイトダウン。
AppleはMacBook Air 11 inch を復活させてほしい。Airと名付けるならば究極の軽量化を目的とすべきだ。目的がブレてはいかんのです。
電源も小さくしてほしい。重量的に馬鹿にならないから。
Seaboard Blockは、シリコンのぷよぷよ鍵盤で、普通に弾くとVelocityが一桁くらいの弱さにしかならなかったりジャンプしたり、挙動不審多々ありで、実際使いにくいが、うまくいくときはとても楽しく、「音名と音名の間」程度の微分音表現はできる。もっともっと使い込んで自分なりのセッティングを極める必要はある。
このブロックタイプはディスコンになった。でもRoli自体は経営が替わったようだが、存続はできたようで嬉しい。文句ばっかり言ってるが内心では応援している。
スタンドは大問題。
今回は、新シロフォンスタンドにダンバウがズレないよう、細かく細工をしてみた。
両サイドのトップに滑り止めのスポンジとゴムを取り付け、更にマジックテーブで楽器を固定できるようにした。そこにキーボードスタンド用テープルをつけ、Seaboardを置く。
でも、ぜんぜんおしゃれじゃなく無骨すぎる。
ダンバウには蓮の花が似合うから、蓮のクッションカバーを吊るしてみた。ファスナーを開けると小物入れになり、予備のピックなどを入れておける。
この全音のシロフォンスタンド自体はスタンドのくせに、定価2万円超の高級品。
分解できるが、それでも長い棒が70cmあるのが難点。
重量1kgという触れ込みだけど、もう少し重く感じる。でもこれ以上軽いものだとグラグラして安定しないのは、別の木琴スタンドで失敗済み。
イザというとき、つまりハードなプレイをしたい場合は、土台部分を足で押さえればなんとかなるはず。ベトナムで買ってきてもらったダンバウ台は可愛いのに使い物にならないクオリティだった。
ダンバウ様ご本体は、半分におりたたみ収納できるスグレモノ。ベトナムは常に独自のアイデアを持っている。だからアメリカに屈しなかった。(約2kg)
あとは小物類。そしてまたしても想定外に重いのが、ケーブル類。
いろんな状況を考えると、ある程度長めのケーブルを持っていったほうが無難だったりするから、重くなる。ケープル類だけで1kgは超える。
あれこれ積み重なって、結局、総計は7〜8Kgあたりか。
すべてをロルサーのショッピングカートに入れられるか、やってみた。
途中で荷崩れ事故がおきそう?
新種のバッグレディーって雰囲気?
いやはや、体力ないと苦労が多い。
ライブハウスには、昔、女子トイレはなかった。基本的に女子はあまり来ない想定になっていた。女性は「女の子バンド」という小さな枠組みの中に生息していた。
シジジーズが女の子バンドとして出演した楽屋に響いた、先輩女性ロッカーのド迫力のセリフを、ふと、思い出した。
「てめえら、気の利かねぇ野郎どもだな。お嬢さんたちが着替えるんだよ。サッサと出ていきやがれ」
勇ましいお姉さんがいた、そんな時代も懐かしい。
でも、いつの時代も、「お嬢さんたち」は案外、内面が逞しいから、心配ないのです。