Toyroメンバーのリレー・コラムです。ぜひ、お楽しみください!(代表・横川理彦)
前回 から数えて3枚目は。
MSCD-101
このCDは発掘され、再現され、想像された1万年前の音が収録されています。トラックによっては単体の楽器だったり、合奏になっていたり、はたまた川のせせらぎ、フクロウ、犬や牛や子どもの声などが、バックグランドで流れていたりします。ハチ(ハエ?)の羽音は楽器の音と対等になることもあり、これも1万年前の音の一部なのかなと、思いを馳せます。全体的にはほのぼのとした雰囲気で、進行していきますが、ひもの先端に骨の欠片をくくりつけて、思いきり回す「うなり木 / 7 The Kongemose bull-roarer」の音は、かなり恐怖を感じました。これで威嚇されたら脱兎のごとく逃げ出してしまうことでしょう。そんな想像をかきたてられる1枚です。
3-7238-2 Y6x2
1983年に発売された、ジョン・ケージのトリビュートCD(2枚組)です。1枚目は98トラック。2枚目は85トラックもあります。通常どおり頭から最後まで、流して聴くことはもちろんなのですが、タイトルにチャンスオペレーションというキーワードがあるように、かわった聴き方も可能です。トラック数が多いのは、曲の構成とはまったく無関係に(最短7秒から最長6分10秒)、切り刻まれているからです。それをシャッフル再生をすることで、1曲1曲が割れたガラスのように、はじめの企みとは異なる様相が生じます。それを2枚同時に再生させれば、単純な方法で、喧騒が生成されるという案配。参加勢はクロノス・カルテット、坂本龍一、デイヴィッド・チューダー、ヨーコ・オノ、小杉武久、ロバート・アシュレイ、フランク・ザッパ、ローリー・アンダーソンなど総勢22人。アナログレコードでは不可能な、CDならではの作品だったのではないでしょうか。