Toyroメンバーのリレー・コラムです。ぜひ、お楽しみください!(代表・横川理彦)
こんにちは。
一応自分のことを作曲家寄りの音楽家だと思っていますが、ここ数ヶ月ほぼ作詞しています。自分の語彙の乏しさにびっくりしていたらめちゃくちゃ太りました。自炊すれば痩せるかなと思って最近自炊の頻度を増やしてみたんですが、2人前作って2人前食べるようになりました。
さて、あなたは何利きですか?というか、今読まれているかたのなかで、どれぐらいのかたが「私は○利きだ」と思いながら生きてきましたか?もしくは意識せずに生きてきましたか?
世の中の比率としてはおそらく、右利きが多数、左利きは少数。私の親世代ぐらいまでは、箸と鉛筆が左利きだった場合、強制的に右に矯正させられていたと聞きました。まさに父と母が箸&鉛筆は右、運動が左です。私の10歳上ぐらいからは、もう矯正させられるような世の中ではなかったのか、自分の物心がついた頃から今に至るまで、親や友達の親以外で関わる人たちのなかに利き手を直した人を見受けることはありませんでした。
価値観のアップデートにより、現在は「絶対に右に直さなきゃ」という考えはほぼなさそうですが、「どっちが右でどっちが左かわからなくなったら、お箸を持つほうが右だと思えば良いんだよ」と幼稚園や小学校で言われた記憶があったり、汁物をすくう器具が正円ではなく涙型になっていて、右手で持たないと使えない構造になっていたり、自動改札機のタッチ部分が右にしかなかったりと、生きてきて右利き優位だと感じることが多くありました。
それにより、もともと右利きである人間は何も感じないけれど、左利きの人は生きてきた時代によって窮屈な思いをしてきたり、「普通の人に比べて変わっている」という自覚を持ちながら生活してきたのではないかな?と思います。
ここまでで私が言いたいのは、利き手のマイノリティに居ることによってかつては疎外感や劣等感を抱く人がいたり、はたまた個性だと感じる人がいたりするのではないかな?ってことです。差別用語である「ぎっちょ」と言われ、左手で箸や鉛筆を持つことが正常でないと洗脳され、ただの利き手なのに自分のアイデンティティを否定される要素になることで悲しい思いをしてきた人。時が進み矯正を是としない世の中で「あ、左利きなんだね!」と言われて「ふふ、僕は私は左利きなのさ。みんなと違って個性的でしょ?」とポジティブに受け入れる人。前者は時代によってとても可哀想な思いをされたと思いますが、後者はその人の個性を彩る良い働きをしそうです。
ただ、世の中はマジョリティの右利きに合わせて作られているので、左利きは自ずと右利き社会で生きています。先述した自動改札では、左手をクロスしてタッチ、もしくは利き手ではない右手でタッチするようにしているかも。はさみに関しては、刃の向きが完全に右利き用です。これは、左利きの人々も生まれてこのかた右利き用しか使ったことなくて意識すらしたことないかもですけど。
血液型別性格診断並みに無理やりな推察ではありますが、左利きの人って世の中に無言で合わせにいくような生き方をしている気がします。良い言い方をすればとても優しくておおらか、悪い言い方をすれば自己犠牲のもと生きている。右利き勢は、左利き勢がそんな思いをしているなんて知りもしない。合わせてもらっていることに気づいていない。
右利き勢が自分たちの利き手を意識しないでいてくれるからこそ、左利きの不自由さはさておき、個性の部分が引き立つのかなって思います。運動もサウスポーってなんかかっこいい扱いを受けますよね。
右、左で完全に振り分けられたら、この雑な推察も理解してもらいやすいのかもしれませんが。なんと「両利き」という人が存在します。え、右でも左でも字を書けちゃうの?!っていう超能力者みたいな扱いを受けることのできるポジションです。これまで語ってきた左利きの称号が、一気に霞みます。君たちいつまで片手だけ使ってんの?どっちも使えばいいじゃない。みたいな、厨二病っぽさも演出できそうです。
厄介なのは、私自身がこれまで両利きを名乗ってきたこと。つまり厨二病マインドで生きてきました。美穂ちゃんいつも字は右で書いてるのに、包丁は左なの?!と言われて「えー、意識したことないけど(してる)、びっくりしたぁ?」とニヤっとするタイプでした。キモいですね。
しかし、ここ2年ぐらいでそれが間違いだったことに気づきます。両利きとは、何もかもどちらの手でもこなせること。私は「箸は右、はさみは左、カッターは右、のこぎりは左、鉛筆は右、運動は左」と、それぞれに利き手がある「交差利き」だったのです。これまで利き手の話題になった時に「両利き」とドヤ顔で名乗り、超人マインドで生きてきましたが、「別にすごくない人」だったことを認めざるを得なくなってしまったのです。完全な左利きでもなく、両利きでもない。自分の中での「利き手性格分析」からも外れてしまって、宙ぶらりんの気持ちで生きています。
でも待って。最後の切り札があるから。「交差利き」って英語でなんて言うと思う?…そう。クロスドミナンス。めっちゃ厨二病じゃない?あと、ちょっと音楽用語っぽくない?私の厨二病超人マインドは、今後この言葉の響きに助けられて、まだまだ楽しくやれそうです。
ちなみに化粧は本当に両利きなので、「私化粧は両利きなんだよねーーーーー」とデカい声でアピールしていこうと思います。