Toyroメンバーのリレー・コラムです。ぜひ、お楽しみください!(代表・横川理彦)
基本的にCDは買いません。わたしが聴きたいものは大抵図書館から借りられますし。目当てのジャンルは主に2ジャンル。民族音楽と現代音楽です。かつて都内に住んでいた頃は近隣の区すべての図書館利用カードをつくり、その数か所をわたり歩いて、借りたいCDを物色していました。そんな中で今回はめずらしく、自分で購入したCDを2つほど紹介します。
まず最初は、
監修 江波戸 明 / 日本コロムビア
品番 COCG-10600-1・COCG-10602-3・COCG-10604-5
これは地域分けされた幾つかの楽器が紹介されたCDです。たとえば東アジアの撥弦楽器とか東南アジアの体鳴楽器などというように、ザックスの楽器分類法にもとづいて収録され、それらを音で確認できるというものです。各楽器の録音時間は短いし、もちろんすべてを網羅しているわけではありませんが、まさに楽器カタログという様相。本CDは I 巻から III 巻までの3種類の地域に分かれ、それぞれ I が東アジア・東南アジア・オセアニア編、II が南・西アジア・ヨーロッパ編、そして III がアメリカ・アフリカ編、各々2枚組にわかれた構成となっています。ケースの裏側には「★このディスクは一部お聴きぐるしい個所がありますが、現地録音によるものです。御了承ください。」と書いてあるだけあって、質感におもむきがあり、とても良い仕上がりになっています。久しぶりに奥にしまっていたものを出してきたら、II巻だけなぜだか見当たりませんでした。
次は、
監修 千野 栄一 / 日本コロムビア / 品番 COCG-10582-3
これも2枚組です。このCDは音楽ではなく、80の言語にしぼられ、それらの言葉が収録されたものです。最初のトラックはイントロダクションとして、まず日本語でこのCDの概要が述べられています。その冒頭でまずアナウンサーが「わたしがいま話している言葉は日本語です」と日本語で語りはじめるのです。もうこの時点で高揚感が高まります。ある意味音楽よりも刺激的です。次のトラック以降は日本の近い国や地域からだんだんと遠のき拡散していき、最後はエスペラント語にたどり着きます。ちなみにエスペラント語は日本エスペラント学会(現在は日本エスペラント協会)のベテラン講師の方が話されているようです。話をもどします。各トラックは収録している場所が違ったり、また話している人の性別が異なったりというように状態はバラバラ。しかしルールは共通しています。まず数字の1から10までを読み上げ、かんたんな日常語、たとえば挨拶などの紹介。それ以降は自由に話すという構成になっています。また各国(各人)が話している時間は1分から2分弱程度と、コンパクトにまとめられています。それにしても上述の「世界楽器カタログ」といい、この「世界一周ことばの旅」といいコロンビアはとても興味をかき立てられるCD(レコード)をたくさん出しているメーカーですね。