Toyroメンバーのリレー・コラムです。ぜひ、お楽しみください!(代表・横川理彦)
シールド、電源、各種ケーブル、そして重い機材。
こんなものから開放されたいと思うこと、ないですか?
残念ながら、「重い楽器ほどイイ音がする」という呪いは未来永劫解かれることはないかもしれない。
でも、
もしかしたら?
未来はここに開かれていくのではないかと予見させる、トキメキのiPadのタッチインストゥルメンツ。
しかも、ほとんどが無料か僅か数ドルという・・。
いったい何処のどなたが何の目的で開発してくれているのだろう?
世知辛い世の中ですが、イイことしてる人は沢山いるし、個人個人の善意がやがて世界を救うのだと、私は信じています。
では、あくまで私好みのモノをいくつか簡単にご紹介します。
(動画はMacのPhoto Boothで撮ったもので、音声もiPadから出ている音をそのままMac内蔵マイクで拾っただけのものです。)
MIDI規格の新世代MPE (Midi Polyphonic Expression)対応のSeaboardシリーズを作っていたRoliが、なんとiOS用フリーアプリを作ってしまった。しかも五次元って?
あまり期待せずインストールしてみたが、これはなかなか感動的。動作がとてもよく、タッチパネルでスイスイいくのが心地よい。
そして、実は、私はこのSeaboard Blockの実機を所持しているのです。その実機とこのアプリをBluetoothで繋いでみたら、これまたバッチリ。夢の「ケーブル等なし」ライブが実現できそう。(本来はMacに繋いで専用ソフトから音を出すものです。)
このキーボードはフニャフニャしているのが売り。
五次元ですからね。もちろん手加減で微分音もできるし、軽いのが気に入って、飛びついて買ったものの、やはり鍵盤が沈むのが疲れるのと、ところどころ地雷のようにベロシティーが跳ね上がるポイントがあり、怖くてあまり使えなかった。そのうちにRoliは破産申請を発表。Seaboardシリーズはディスコンになってしまった。惜しい。大事に使おう、きちんと手を洗って。
Olympia Noise Co というところから出ているMPEタッチインストゥルメントアプリ。3.99USドル。
とてもシンプルな画面なのに反応が素晴らしい。
タッチパネルって指先で直接音にふれる感覚があり、新しい喜びを感じる。楽器の未来はここにあると思う。
しばらくコレにどっぷりハマる予感。音が好き。
ちょっと音量小さめになっちゃったけど、聞いてみてください。
偉大な音律研究家、Erv Wilson の音律理論を、具体的に音として自分の指先で鳴らせるというこの素晴らしすぎるアプリ。
こんなものが無料で手に入るって、私には奇跡としか思えない。
私のメイン音律であるハリー・パーチの43音スケールもちゃんと分数で並んでるのを見て、つくづく未来がやってきたと思いましたね。ここにある理論を説明できる知識も能力もないけれど、誰もが、指先で、視覚で、深淵なる音律ワールドにふれることができる。製作者には、もう尊敬しかないです。
Markus Resch から出ている250円のメロトロン。
鍵盤数を調整できるのはとてもいいけど、鍵盤数増やすと弾きにくい。もともと独特のチープな音が売りなメロトロンだからこのアプリでもかなり可愛いイイ音がしてると思う。イイというか、好き。コントロールもしっかりついてて優秀。
ハイ、そうです。もちろん、私、実機を所持しております。
ただし、一番小さいMicro Mellotron。ほんとはM4000Dが欲しかったのですが、デジタルのくせにものすごく重い。55%軽量化されたMiniですら9.5kg、というわけで一番小さなMicroを買ったものの、やはり2オクターブは辛い。もともと音域の狭いメロトロン音源なので、オクターブを切り替えると、鍵盤の途中から音が出ないということになり、とてもフラストレーションが溜まります。
でも、ルックスはバッチリ綺麗で、音もチャーミングなので手放せないでいます。M4000D、Mini、Micro,各種ソフト音源、全て微妙に違うのも不思議。デジタルなのに。
上の動画と同じフレーズを弾こうとしたのに違ってしまいましたが、アプリVS 実機の比較になりますでしょうか?
Wizdom Music LLC から出ているタッチシンセ。
ついに大台の千円超え1220円の高級品なのに、なんと、今日は急に音が出なくなってしまったではありませんか。
おそらくどこか触ってはいけないところを触ってしまったのでしょう。Roliの技術者もかかわっているということで、似たような感じではありますが、これはデフォルトで53微分音設定などに出来て、ビュンビュン鳴らせるし、キラキラ派手に光ってくれるのも楽しいです。音の出ない動画ですが、一応貼っておきます。
さてさて、こんなことをしていて一日が終わるのはいいですが、生涯まで終了してしまわないように気をつけたいと思います。
ではでは。