Toyroメンバーのリレー・コラムです。ぜひ、お楽しみください!(代表・横川理彦)
中学の生徒会では放送委員会というのがあって、校内放送を担当していました。主な仕事は昼休みの音楽放送で、映画音楽とかカーペンターズとか、中庸なポピュラーミュージックをかけがち。
中2の私はクラスでこれに選ばれ、委員会に出て見たら、中3の放送委員は女子ばかり、結託されて私が放送委員長に選ばれる羽目に(普通委員長は3年生)。というのは、放課後5時になると下校の音楽を放送室から流すのですが、どういうわけかこれが放送委員長の仕事で、毎日拘束がきついのです。ちなみに昼の校内放送は委員の回り持ちで、ディスクジョッキー化していて人気職。
私は毎日授業が終わると放送室に行って、テープレコーダーをいじったり、備え付けのレコードを聴いたりして時間を潰し、5時になったら下校の音楽(オルゴールのLP)をかけ、機材の電源を落とし施錠して鍵を職員室に戻し下校する、という段取り。
ロックに目覚めた放送委員長(私)は、昼休みにサンタナ、ビートルズ、クリームなどをかけ、文化祭ではレコードコンサートを企画してロック三昧(女子のリクエストはサイモン&ガーファンクルとかカーペンターズ、ビー・ジーズ「メロディ・フェア」などだった)。先輩から1年坊主まで広くロック好きの仲間ができて行って、後にバンドをやろうとしたときにアンプとかドラムセットを借りるのに役立ちました。
事件が起きたのは、3月の予餞会(卒業生を送る会)の時です。2年生のお調子者たちはお笑いコント(先生たちをいじる内容)を企画し、あらかじめセリフを録音しておいて当て振りで行こう、と。そこで、放送室使い放題(ちゃんと4畳半くらいのブースもある)の私は録音・編集係として参加し、放課後ギリギリまでテープ作りに励みます。セリフに部分的にリバーブをかけたり、テープ速度を変えたり、効果音(風・雨・救急車・競馬レースなど)を大胆に挟んだり、技術の限りを尽くして10分くらいのマスターテープが完成、これをチーム全員できいて大笑いしたものです。これ、絶対受けるよ。
・事件その1
放課後、誰かを呼び出したかった体育教師が職員室のマイクをonにしたのだが、セリフ録音中で私が職員室の回線をoffにしていたため教師の声が流れず、怒った教師が放送室に怒鳴り込んできた。
・事件その2
コントのゲネプロということで、体育館のステージで練習したいのに、3年のバンドのリハが長くて、私たちの番になった時には大幅に下校時間をオーバー、用務員さんにきつく叱られ追い出される。ちゃんとした音声チェックできず。
・事件その3
予餞会当日、体育館備え付けのテープレコーダーが放送室のものと規格が違い(モノラル対ステレオ)、結果順回転と逆回転の音が等量流れるアバンギャルド音響に。舞台は大混乱で、訳のわからないカオスの中で終了。
のちの職員会で「横川けしからん」と体育教師が怒るも、担任の北脇先生が「いいことをやろうとしていたのだ」と弁護してくれて、ことなきを得ました。北脇先生には他にも色々目をかけていただいて、たいへん感謝しています。
放送委員長のplaylist