Toyroメンバーのリレー・コラムです。ぜひ、お楽しみください!(代表・横川理彦)
文章をかくことが苦手です。いろいろと着想し、書き始めてみるものの何かちがう。ならば自分の表現でしたためる事はもうあきらめ、ひと文字でも多く書くためのアイデアを練ってみる。しかし、これでは死に馬にハリを打っているに過ぎませんが。
ところで、今年(2021年)はロシア生まれの作曲家、イゴール・ストラヴィンスキーの没後50年だそうです。2018年に著作権保護期間が70年に延長されたので、より多く演奏される機会がもうすこし先になってしまいました。
ということで「春の祭典」のスコアをひさ方ぶりにパラパラとめくってみました。そこで見えたことや、思い出したことを少しだけ書いてみようと思います。
調性に関しては、古典的なカデンツとその隠蔽、オクターブの等間隔分割、オクタトニック(不完全なものも含む)、増四度と長七度音程の積み上げなどがアイデアの中心でしょうか。
そして「春の祭典」と云えば、何といってもリズムですね。特徴のひとつに《例えばAとBの2つの要素がある。Aは拡大し、Bはそのまま。このように周期が変化する》【A(7)+B(43)】
散見される特徴的なリズム構造に、インドとの類似性があります《例えばAとBの2つの要素がある。Aは拡大し、Bはそのまま。このように周期が変化する》【A(29)+B(43)】
作曲家のメシアンが言うには「春の祭典」のリズムは、ターラのような特徴があるとのことです《例えばAとBの2つの要素がある。Aは拡大し、Bはそのまま。このように周期が変化する》【A(43)+B(43)】
フランスの作曲家メシアンが言うにはバレエ音楽「春の祭典(通称ハルサイ)」の特徴的なリズム構造のひとつに、インドのリズム技法(ターラ)との類似性を指摘しています《例えばAとBの2つの要素がある。Aは拡大し、Bはそのまま。このように周期が変化する》【A(79)+B(43)】
フランスの作曲家オリヴィエ・メシアンは、著書「音楽言語の技法」のなかで、ロシア生まれのイゴール・ストラヴィンスキーが作曲した三大バレーの内のひとつ「春の祭典(通称ハルサイ)/Le Sacre du printemps(1913年パリで初演)」のリズム構造の特徴のひとつとして、インドのリズム法すなわちターラとの類似性があると述べられています。かんたんに言うと《例えばAとBの2つの要素がある。Aは拡大し、Bはそのまま。このように周期が変化する》【A(179)+B(43)】
フランスの作曲家が「春の祭典(ハルサイ)」の律動は、ターラ《のようにビートの周期が変化する》【A(29)+B(17)】
ハルサイの律動は頻繁に《伸縮し周期が変わる》【A(11)+B(11)】
没後50年の今年、かれの音楽が再発見されるのか否か、とても楽しみな春です。
「春の祭典」より「第2部 生贄 3:選ばれし生贄への賛美」です。ここでは対になるリズム要素が各々ことなる間隔で伸縮し、周期が一定していないことが確認できます。
ちなみに、本文の表題・【A(x)+B(y)】内の計数*・段落ごと**の文字数は素数になっています。そういえば「春の祭典」の初演の年月日もそれぞれ1913・5・29で、すべて素数になっていますね!
*《》も文字としてカウントしています。 **【A(x)+B(y)】がある段落は含まれません。