Toyroメンバーのリレー・コラムです。ぜひ、お楽しみください!(代表・横川理彦)
今、世間で最も役に立たない話題であろう、長距離フライトの話をします。
12時間以上、絶え間なくエンジン音が鳴り響いている機内では、エコノミー症候群以上に、耳への負担が大変大きいです。
少なくとも耳だけはビジネスクラスにアップグレードしたい、そんな時には、ノイズキャンセリングイヤホン が威力を発揮します。機内エンターテイメントを自前のノイズキャンセリングイヤホンで楽しみたい。しかし、最近のイヤホン、特にノイズキャンセル付きのものはワイヤレスを使っている方が多いことでしょう。では、どうしたら有線イヤホンの代用として使えるか。探してみると、便利なものがあるんですね、Bluetooth トランスミッター兼レシーバー。これを機内のヘッドホン端子のミニジャックに繋いで、ワイヤレスイヤホンに飛ばす。bluetooth同士のリンクにちょっと手こずったのですが、一度リンクしてしまえば、電池が持つ限り、ノイズキャンセルの恩恵を受けながら映画も観られる。(因みに今回乗ったカタール航空の機内では、Ford vs Ferrari、Spider Man:Far from home、
新聞記者、AI崩壊、Baby Driver、Alien Covenant、Jersey Boys、星屑の町 を観ました)唯一の問題は、イヤホン側のバッテリーの駆動時間でしょうか。どこかで充電しないと、12時間は持ちません。バッテリーがヘタっている場合は何度も充電が必要になります。そういうのが嫌な方は、有線のノイキャンイヤホンを使うか、ビジネスクラスに乗れば貸してくれます。機内ではトランスミッターとして使用していますが、レシーバーモードにすると、普通のイヤホンをワイヤレスとして使うことが出来ます。用例としては、iphoneに普段使ってるイヤホンやヘッドホンを繋げたい、普通ならlightningからミニジャックのアダプターを挿して有線で使うの一択ですが、このレシーバーを使うと、無線で使うことが出来ます。しかし音質はそこそこなので、レシーバーモードでは、例えばテレビの音を無線で聞きたいとか、iphoneでラジオを聴くとか、そういう使い方でしょうか。音質に拘らなければ十分使えます。
ノイズキャンセリングイヤホン、使ったことの無い方のために簡単に説明すると、左右のイヤホンにマイクが仕込まれていて、絶えず周りの騒音を拾いながら、その逆相の音を再生することで、相殺してノイズを消すという技術で、最近のものはなかなかエグくノイズを消してくれて感動モノです。ただし、逆相を聞き続けているせいなのか、閉鎖感、圧迫感があり、ちょっと酔ったような感じで苦手だという人もいます。特にカナル式(耳栓型)はその傾向が強いかもしれません。僕の使っている物では機内でのエンジンノイズは完全カットとはいきませんが、6割減以上の効果はあり、ゴォーーーと鳴っている音が、コーくらいにはなります。電車内や家中の換気扇のノイズは見事に消えます。リモートワークで使用すると、相手の声も聞こえやすくお薦めです。すでにこの技術をスピーカーに応用した製品もあり、流石にイヤホンのような劇的な効果は期待出来ませんが、将来はピンポイントの空間だけ静寂にすることが出来たりするんでしょうか。真っ白の空間で、ホワイトノイズだけが鳴っていて、その中を歩いていくと、ある地点だけ完全に無音になっている、というようなサウンドインスタレーションが出来たら面白いのでは?あるいは、防音の部屋をつくるのはなかなかハードルが高いですが、ノイキャンスピーカーで、ある程度の騒音が抑えられたら、簡易ブースを立てて家でボーカル録音が出来るのか?とかノイズキャンセリング妄想が膨らみます。