Toyroメンバーのリレー・コラムです。ぜひ、お楽しみください!(代表・横川理彦)
僕は作り手が何を考えて作っているのか、その片鱗が見え隠れするものが好きなようです。それを読み解いていく楽しみ。
音楽ではなく、いつも音学として聴いているかもしれない。
Calibro35は、70年代のイタリアのサントラのカバーを得意としていて、僕は昔、Easy Tempoというレーベルで彼らが演奏しているような音源のリイシュー仕事をやっていた経緯から、ライブにゲスト参加したり、他にも様々な企画で、偶然一緒になる機会があり、公私共に付き合いのある仲間です。イタリアンプログレバンドのPFMのメンバーのMauro Paganiのスタジオofficine meccanicheで修行したエンジニア、Tommaso Collivaがメンバー兼プロデューサーで、生演奏にこだわった骨太なアルバムです。因みに本盤はWiredイタリア版の年間チャートで2位だそうです。
”日本の古い美学への風刺””をテーマに、”怪談”、”小町”に続く三部作の最終章、”古風”。 ヒップホップ的なコラージュ手法を使いながらも、吟味された素材と、その音がそこにあるべき理由を感じさせる冥丁さんの音作りに、知らぬ間に引き込まれていきます。
OPNの新譜が出たから聴いてみるか、と何気なくプレイしてみると、なんだかわけが分からぬまま繰り返し聴いていた。得体の知れないものは面白いです。
メキシコ人ジャズピアニストでありドラマーのEnrique Haneineの最新作は、複雑なポリリズムを多用しています。なかには、まるでDJが元曲の上に違う曲のリズムを乗せているような、一体どこで拍を取っているのか、頭がこんががりながらも気持ちよく聴けます。本人が楽曲解説しているビデオもあるので、興味のある方はチェックしてみて下さい。
フランス人のキーボーディストChassol は、会話や、環境音をビデオ録音/画し、その音からメロディやハーモニーを紡いでいく、いわば、Steve ReichのDifferent Trains以降の作品のような手法なのですが、彼の手にかかると、音の高低とリズムさえあれば、どんなものでもメロディと捉え絶妙なコードを足していく、その見事な手腕は、コンセプチュアルでありながら、とても自由で、グルーヴィで楽しい。前作のライブを観ましたが、演奏も大変上手く、映像と完全シンクロした世界は必見です。
発売から40th アニバーサリーということでアナログでもリイシューされたウェルズのトリオ Young Marble Giantsの1980年発売のミニマルポップ。これでいいのだ、って感じ。大好き。