今回は音楽を発表するだけではなくて『映像』にして残したいと思いました。
その『映像』も単純なイメージVのようなものではなく『映像として強い』ものを音楽にぶつけたかったので映像ディレクターの蛯子ユウキさんにMVの制作をお願いしました。
「好きに作って下さい」とだけお伝えして、全てお任せしたのですが、バッチリ強い映像を上げて頂き感謝です。
(この曲はいくつかあったアイディアをミックスしたもので、grooveに乗っかって 5/4、4/4、3/4と拍子がフレキシブルに変化していくというのがテーマの1つになっており、そのイメージをカメレオンに例えてそういう仮タイトルをつけていました。)
これらの歌詞は、かなり抽象的で幅広い解釈ができるように書かれています。以下は、いくつかの考察ポイントです。
1. 言葉の遊びと表現の変化:
「ヒューマー」が何を指しているのかははっきりしませんが、おそらく「人間」を指している可能性があります。
「くすぶったままあるルーマー」や「電波だらけのヒューマー」など、言葉の響きや表現が特徴的で、抽象的なイメージを形成しています。
2. 異なる側面の描写:
歌詞には、異なる側面の描写があります。例えば、「やりあったらとことんシュガー」や「めいっぱいオーライ」はポジティブな側面を示唆していますが、「荒ぶってる鎗ヶ崎」や「嘘だらけの曖昧さ」はネガティブな要素を表しています。
3. 変化と新しさへの言及:
歌詞には「変わってく移りゆく古びる常識」や「新しく覚えたばかりの定石」など、変化や新しいものへの言及があります。これは、変化や進化に対する感覚を表現している可能性があります。
4. 妖しさと不思議さ:
「作り話布石」や「ハシビロコウが動く」、「昼間に見える月が 朔月に映ってるマジック」など、妖しさや不思議さが散りばめられています。これは歌詞全体にファンタジックな雰囲気を与えています。
5. 日常的な要素の挿入:
「筆箱も下駄箱も 無くなりはしなくて 舌を出して見てる」といった具体的な日常の要素も挿入されています。これは、抽象的な表現と対照的に、リアリティの一端を提示しています。
総じて、これらの歌詞は多様なテーマ性と感情を含んでおり、聴く者や読む者によって異なる解釈ができるでしょう。
プロパーなミュージシャンでない私が音楽活動を続けるには、よほどモチベーションを上げるテーマが必要! と切実に感じ、かわいい女の子とのデュエットてことにしました! お相手は小劇場系演劇シーンでいまイチ推しのスウィートレデイ、星澤美緒ちゃんです!
『付き合って2〜3年で、女の子のほうは、ちょっと飽きが来てるけど、まだなんとなく好き』みたいな微妙なカップルの気分、で作ってみました! この年で歌うような内容じゃないんだけど! 歌詞づくりは前作を踏襲して「ありがちなフレーズを掛け合いで否定していく」こんにゃく問答スタイルにして、曲づくりはエルトン・ジョン&キキ・ディーの「恋のデュエット」を参考にしてます!
ミュージックビデオはレコーディング時にスタジオで収録したものですが、表参道でロケしたタテ型仕様の別バージョンも公開する予定です!
仕事でなく、自分の作品を作る時は、「すごく嬉しい」「すごく悲しい」等の強い感情がきっかけになることが殆どですが、仕事となるとそういう感情が生まれるまで待ってはいられないので、どんな精神状態であろうととにかく作ることになります。幸いなことに、トイロ・ミュージックのコンピレーションはちょうどその真ん中にあるわけで、一応、何かの題目を自分なりに設定してから、その後、何らかの感情が強まるのを待っての創作作業となりました。題目については、アメリカのドラマを観ていて、上司が若い部下に「ヨットロックって最高だろ?」と、70年代後半のアメリカのヒット曲を大音量で聴かせ、若い部下が「ダサい」と、からかう場面を見て思いつきました。
『そうだ、ヨットロックをやろう!』と。
(ヨット・ロックの定義については、私の下手な説明よりもこちらをご覧ください。)
長谷川町蔵さんの記事 https://forbesjapan.com/articles/detail/40041
DU BOOKS 「ヨット・ロック」 https://diskunion.net/dubooks/ct/detail/DUBK210
録音については、コロナ禍を経ているので、「地下などの密室空間に何人も集まって録音するだけが全てではない」というコンセプトのもとに行われました。具体的には、「それぞれの家の普通の部屋」「それぞれの家の防音部屋」「それぞれのホームスタジオ」「一人でリハスタで録る」という録音方法でした。私の頭の中を覗いたが如く、ぴったりの演奏を演奏家がそれぞれ録音してくださり、とにかく私は満足です。
で、出来上がった曲をお聴きになると、ちょっと想像と違うとは思います。
「いったいどこがヨットロックなんだ」
と思っていただければ本望です。
海と船が出てくるだけでも酌んでいただければ幸いです。そもそもヨットロックって言葉自体が揶揄いなんですし。
まずは古代中国の動乱期に生きた、哲学者である荘子(Zhuangzi)によって書かれたとされる数々の文章の中の一つ、外篇天道第十三の読み下し文を利用するというアイデアを思いつきました。あいうえお五十音、そして濁点・読点・句点・拗音・促音と「」(かぎかっこ)の内、使用されている合計五十九種類の要素を抽出し、それらの文字が使われた数をカウントしました。文字数の違いを把握することで、音群の傾向を決める切っ掛けにするためです。そして各々に対応する和音や打楽器音、そして楽器の組み合わせをあらかじめ決定し、読み下し文に沿って配置していきました。基本的にスタッカートのみ。拍は一定。音量も一定。途中三箇所、打楽器のみのインターバルが置かれています。
この章で荘子は、古人の偉大なことばは語りつくせず、書きのこされた文章はカス(糟粕)のようなものだと説いています。ことばを楽器音に置き換えることによって、意味はうしなわれ、リズムの糟粕だけが残ります。
画像のメモは文字要素に対応する音群の覚書。打楽器のみの箇所もあるため、数字がところどころ抜けています。
Bohlen-Pierce は、オクターブを持たないマクロトーナル音律(microではなくmacro) で、ED3-13 は、トライターブ、つまりCから始めるなら、ひとつ上のGまでを13に等分した平均律で、隣同士の音の距離は146.3セント(12平均律は100セント)という半音より広い音階になります。ですから、鍵盤上で”オクターブ上の同じ音名の音”に出会うことは決してない、という不思議かつ超難解なスケールといえます。実際、アコースティックピアノをこの音律に調律することは、ピアノの構造そのものを変えない限り不可能なのではないかと思います。こんな音律を試して遊べる時代になったことは感慨深いです。音楽をつくる中で、自分の手と耳と頭が、どうしてもオクターブ上の音を探そうとして右往左往してしまうことも新しい発見でした。
この曲では、基音のちがう2つのBohlen-Pierceのスケールを光と影のように一対のものとして出したり引っ込めたりして使っています。
このところ作曲の技法として興味を持っているのは、旋法と確率を用いたリズミックな自動演奏で、コンピュータが気持ちよくアドリブをする構造とか環境を作るのがおもしろいです。止めどなく永遠に演奏し変奏し続ける運動体の一部分を切り取って作品として固定するのですが、どこかの空間に設置して自動演奏のプログラムで数日とか数年とか流れ続けることを想像したりします。インストとして出来上がったところで、ふと冷水さんにダビングをしてもらうことを思いつき、べトナムの楽器ダンバウを重ねてもらいました。一気に柔らかくたおやかな雰囲気が広がって、素晴らしいです。
曲のタイトルはゴダールの「小さな兵隊」の原題ですけど、ダルデンヌ兄弟の「その手に触れるまで」とかも頭の中にあります。音楽が、共感と共存につながるといいなと思う、今日この頃です。
前作でもう枯れた!と思いましたが、もうひとつ何とか絞り出すことができました。いつものとおり手癖頼みで、いくつかコレと思ったフレーズをしつこく組み合わせています。自分でわかる、弾ける範囲でしかアレンジできないので、どうにか楽器を弾けるくらいの人達が集まって合奏しているといった仕上がりになってしまいます。7月のある日にできたので深く考えずにこんなタイトルにしました。7月といえば梅雨の終わりの湿気と暑さで鬱陶しい頃ですが、夏の始まりで、日が長く、自分の生まれ月でもあり、1番好きな月かもと改めて思いました。
トイロ作家の皆さんの高尚で複雑な曲達が続いた後の最後がこの拙い曲で申し訳ないですが、クールダウン的に聴き流していただければと思います。
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