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TOYRO MUSIC
compilation vol.2
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映画、テレビ番組、CM、ゲーム、演劇など
さまざまな分野で音楽を制作してきた
職業作曲家集団 トイロミュージック
のコンピレーション・アルバム第二弾。
2024年2月21日 リリース
jacket
  1. Move On
    永田太郎Taro Nagata
  2. soneca
    辻林美穂Miho Tsujibayashi
  3. ヒューマー
    谷口尚久Naohisa Taniguchi
  4. 螺旋の排水溝
    郷拓郎Takuro Go
  5. Linea 5
    Gak Satoガク サトウ
  6. Mushroom in the air Part2
    松前公高Kimitaka Matsumae
  7. ちょっと いま だまってて
    かとうけんそう feat. 星澤美緒Kenso Kato feat. Mio Hoshizawa
  8. 素敵な道
    あらきなおみNaomi Araki
  9. 管楽器とピアノと打楽器のための『律動の
    糟粕』

    薄井由行Yoshiyuki Usui
  10. Summer Break
    藤本功一Koh-ichi Fujimoto
  11. Macrotonal Etude ED3-13
    冷水ひとみHitomi Shimizu
  12. Le Petit Soldat
    横川理彦Tadahiko Yokogawa
  13. 七月某日
    磯部智子Tomoko Isobe
Produced by 横川理彦 & Gak Sato
Mastering:竹内一弘 (Whereabouts Records)
Artwork & Design:青木正
Management & Promotion:三宅治子

2nd

TOYRO MUSIC compilation vol.2

発売日:2024年2月21日
   製品番号:TOYRO-02
仕様:CD / 価格:2,000円 (+消費税)
JANコード:4582561400810
レーベル:トイロミュージック
トイロミュージックの『2nd』には、時代の要請に敏感な職人としての矜持と、自由奔放なアーティストとしての姿の両方が重なる。Light In The AtticやMusic From Memoryが発掘した日本のポップ・ミュージックのコンピレーションを新録音で制作したような空気感、そして〈隠れた宝石〉を見つける楽しみがある。映画『哀れなるものたち』のジャースキン・フェンドリックスを生んだサウス・ロンドンのライブハウスThe Windmillのごとき熱気や、世界的なアンビエント・ミュージックの潮流とも共鳴している。
駒井憲嗣(ライター)
私の所属事務所の作家によるTOYRO MUSICのコンピレーション第2弾が完成しました!…と他人事のように申しておる私ですが、今回は曲作りのためのスケジュールがどうしても確保できず、泣く泣く1回お休みさせて頂く事になりました。クライアントワークを離れた自由な表現の場に参加できずとても残念ですが、トイロの作家の皆さんの新しい作品を拝聴するに前作にも増してバラエティ豊かでよりPOPになったのではないかと感じています。Young Person’s Guide to TOYRO MUSIC…ってところでしょうか。
ゲイリー芦屋(作曲家)
アーティスト自身による解説
01

Move On

永田太郎

作詞・作曲・編曲・Mix:永田太郎

今回は音楽を発表するだけではなくて『映像』にして残したいと思いました。
その『映像』も単純なイメージVのようなものではなく『映像として強い』ものを音楽にぶつけたかったので映像ディレクターの蛯子ユウキさんにMVの制作をお願いしました。
「好きに作って下さい」とだけお伝えして、全てお任せしたのですが、バッチリ強い映像を上げて頂き感謝です。

蛯子ユウキさんのコメント:
MV制作のお話を頂いたときに、楽曲の特性から仮題にカメレオンが入っていたこともありこのカメレオンというモチーフをどうやって映像の中で生かそうか悩みました。
カメレオンは"擬態"する生き物。
であるなら映像も何かに"擬態"しているようなものにしてしまおうと、一見2Dルックに見えるような3DCGアニメーションをコンセプトに制作することにしました。
映像を作り進めるほど、楽曲に促されるように作りたいシーンも増え、この曲が、映像やカメレオンのキャラクターを遠くまで連れて行ってくれたような気もしています。
賑やかで楽しい映像になったので、是非かっこいい音楽と共にご覧頂ければ嬉しいです。

(この曲はいくつかあったアイディアをミックスしたもので、grooveに乗っかって 5/4、4/4、3/4と拍子がフレキシブルに変化していくというのがテーマの1つになっており、そのイメージをカメレオンに例えてそういう仮タイトルをつけていました。)

02

soneca

辻林美穂

作曲・編曲:辻林美穂  Mix:永田太郎
現実と夢の境目を行き来するような、ふわふわとした心地の曲を書きたく、今回自分がやったことのないスタイルに挑戦してみました。
普段は、コードをこねくり回したり、メロディを派手に上下させるようなものが好きで、リズムはおざなりになってしまいがちなのですが、コードもメロディも手癖を封印して、リズムの心地良さを意識しました。
聞き返すと、2023年の夏がとにかく暑かったことを思い出します。あの記憶に合いそうな言葉の響きを探していたら、ポルトガル語で「昼寝、うたた寝」を意味する「soneca」という単語に出会い、曲名にしました。
03

ヒューマー

谷口尚久

作詞・作曲・編曲・
E.Guitar・E.Bass・Trumpet・
Mix:谷口尚久
歌詞についてChatGPTに考察してもらいました。結果、以下の通りでした。
想像していた以上に想像以上だったので、なんだか変な気分です。
あ、ちなみに「ヒューマー」はヒューマンではなくて、ユーモアの英語読みで「ヒューマー」です。

これらの歌詞は、かなり抽象的で幅広い解釈ができるように書かれています。以下は、いくつかの考察ポイントです。

1. 言葉の遊びと表現の変化:
「ヒューマー」が何を指しているのかははっきりしませんが、おそらく「人間」を指している可能性があります。
「くすぶったままあるルーマー」や「電波だらけのヒューマー」など、言葉の響きや表現が特徴的で、抽象的なイメージを形成しています。

2. 異なる側面の描写:
歌詞には、異なる側面の描写があります。例えば、「やりあったらとことんシュガー」や「めいっぱいオーライ」はポジティブな側面を示唆していますが、「荒ぶってる鎗ヶ崎」や「嘘だらけの曖昧さ」はネガティブな要素を表しています。

3. 変化と新しさへの言及:
歌詞には「変わってく移りゆく古びる常識」や「新しく覚えたばかりの定石」など、変化や新しいものへの言及があります。これは、変化や進化に対する感覚を表現している可能性があります。

4. 妖しさと不思議さ:
「作り話布石」や「ハシビロコウが動く」、「昼間に見える月が 朔月に映ってるマジック」など、妖しさや不思議さが散りばめられています。これは歌詞全体にファンタジックな雰囲気を与えています。

5. 日常的な要素の挿入:
「筆箱も下駄箱も 無くなりはしなくて 舌を出して見てる」といった具体的な日常の要素も挿入されています。これは、抽象的な表現と対照的に、リアリティの一端を提示しています。

総じて、これらの歌詞は多様なテーマ性と感情を含んでおり、聴く者や読む者によって異なる解釈ができるでしょう。

04

螺旋の排水溝

郷拓郎

作詞・作曲・編曲・Mix:郷拓郎
この曲は元々、10代の頃に架空のシンガーソングライター「由理・ロッテンマイヤー」の曲としてこさえた架空のヒット曲です。 更なる詳細としては、岩井俊二監督の「リリイ・シュシュ」プロジェクトのパロディーです。 というそんな曲の、この度はセルフカヴァーになります(ついてこれてますか、大丈夫ですか)。 当時は歌姫という設定上、自分で歌うわけにもいかず(そもそも歌を歌うなんて滅相もないといった頃でした)、実際には友人の女子に歌ってもらいました。 作曲することはとにかく楽しかったんですが、歌として完成させるためには作詞という宿題が発生してしまう… そこで、注目してもらいたい作曲要素に注目してもらうためには作詞を無意味にすればよいのでは!と閃き、結果ほぼ推敲無しの詞をはめるというヘンテコなバランスになっております。パロディーという性質上、むしろそのぐらいがベターだったんですよね。 この曲を足掛かりに、由理・ロッテンマイヤーは10数曲を作り1枚のアルバムという形で完結。 のちにそろそろ真面目に曲を作ろうということで、自身のユニット「detune.」が誕生したという流れでございます。
05

Linea 5

Gak Sato

作曲・編曲・Mix:Gak Sato
この曲は元々、2021年2月のコロナ禍のミラノのアルセナーレ劇場で無観客ライブ配信で行われた、作曲家のBruno Madernaオマージュのイベントのひとつ、”Appunti di Città”という舞台のために書いた曲を編曲したものです。タイトルは、トラムの5番線と、地下鉄の5番線の意味で、楽曲の中で聞かれる環境音は乗車中に録音した音を編集して使用しています。
このトラムは、1500型という1927年から1930年にかけて500両生産されたもので、現在でもミラノ市内を100両が現役で走っています。サンフランシスコで走っているのも同じ車両です。一方、地下鉄の5番線は、2013年に開業した線で、完全無人の自動運転というハイテクな地下鉄です。新旧2つの線が交差するミラノの情景がこの曲の背景となっています。
06

Mushroom in the air Part2

松前公高

作曲・編曲・Synthesizer・Mix:松前公高
以前クウキキノコという曲を作曲したのだけど、それを再度構成から見直して、第二弾として制作しました。クウキは宇宙につながり、宇宙はどこか別の惑星につながっている。クウキに浮いたキノコが居る星にいってみたい。Mushroom in the Air クウキキノコ Mushroom in the Air クウキキノコ Mushroom in the Air クウキキノコ Mushroom in the Air クウキキノコ Mushroom in the Air クウキキノコ Mushroom in the Air クウキキノコ Mushroom in the Air クウキキノコ Mushroom in the Air クウキキノコ 、、、、、、、
07

ちょっと いま だまってて

かとうけんそう

feat. 星澤美緒
作詞・作曲:かとうけんそう
 編曲・Mix・プロデュース:
横川理彦 + Gak Sato

プロパーなミュージシャンでない私が音楽活動を続けるには、よほどモチベーションを上げるテーマが必要! と切実に感じ、かわいい女の子とのデュエットてことにしました! お相手は小劇場系演劇シーンでいまイチ推しのスウィートレデイ、星澤美緒ちゃんです!

『付き合って2〜3年で、女の子のほうは、ちょっと飽きが来てるけど、まだなんとなく好き』みたいな微妙なカップルの気分、で作ってみました! この年で歌うような内容じゃないんだけど! 歌詞づくりは前作を踏襲して「ありがちなフレーズを掛け合いで否定していく」こんにゃく問答スタイルにして、曲づくりはエルトン・ジョン&キキ・ディーの「恋のデュエット」を参考にしてます!

ミュージックビデオはレコーディング時にスタジオで収録したものですが、表参道でロケしたタテ型仕様の別バージョンも公開する予定です!

08

素敵な道

あらきなおみ

作詞・作曲・編曲:あらきなおみ
Fl:太田朱美 B.Cl:土井徳浩
 Tp:赤塚謙一 Tb:和田充弘
  Gt&Pf:谷口尚久
 Vo&Ba:あらきなおみ
 Dr:itoken Mix:松井敬治

仕事でなく、自分の作品を作る時は、「すごく嬉しい」「すごく悲しい」等の強い感情がきっかけになることが殆どですが、仕事となるとそういう感情が生まれるまで待ってはいられないので、どんな精神状態であろうととにかく作ることになります。幸いなことに、トイロ・ミュージックのコンピレーションはちょうどその真ん中にあるわけで、一応、何かの題目を自分なりに設定してから、その後、何らかの感情が強まるのを待っての創作作業となりました。題目については、アメリカのドラマを観ていて、上司が若い部下に「ヨットロックって最高だろ?」と、70年代後半のアメリカのヒット曲を大音量で聴かせ、若い部下が「ダサい」と、からかう場面を見て思いつきました。
『そうだ、ヨットロックをやろう!』と。

(ヨット・ロックの定義については、私の下手な説明よりもこちらをご覧ください。)

長谷川町蔵さんの記事 https://forbesjapan.com/articles/detail/40041

DU BOOKS 「ヨット・ロック」 https://diskunion.net/dubooks/ct/detail/DUBK210

録音については、コロナ禍を経ているので、「地下などの密室空間に何人も集まって録音するだけが全てではない」というコンセプトのもとに行われました。具体的には、「それぞれの家の普通の部屋」「それぞれの家の防音部屋」「それぞれのホームスタジオ」「一人でリハスタで録る」という録音方法でした。私の頭の中を覗いたが如く、ぴったりの演奏を演奏家がそれぞれ録音してくださり、とにかく私は満足です。

で、出来上がった曲をお聴きになると、ちょっと想像と違うとは思います。
「いったいどこがヨットロックなんだ」
と思っていただければ本望です。
海と船が出てくるだけでも酌んでいただければ幸いです。そもそもヨットロックって言葉自体が揶揄いなんですし。

09

管楽器とピアノと打楽器の
ための『律動の糟粕』

薄井由行

作曲・編曲・Mix:薄井由行
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まずは古代中国の動乱期に生きた、哲学者である荘子(Zhuangzi)によって書かれたとされる数々の文章の中の一つ、外篇天道第十三の読み下し文を利用するというアイデアを思いつきました。あいうえお五十音、そして濁点・読点・句点・拗音・促音と「」(かぎかっこ)の内、使用されている合計五十九種類の要素を抽出し、それらの文字が使われた数をカウントしました。文字数の違いを把握することで、音群の傾向を決める切っ掛けにするためです。そして各々に対応する和音や打楽器音、そして楽器の組み合わせをあらかじめ決定し、読み下し文に沿って配置していきました。基本的にスタッカートのみ。拍は一定。音量も一定。途中三箇所、打楽器のみのインターバルが置かれています。

この章で荘子は、古人の偉大なことばは語りつくせず、書きのこされた文章はカス(糟粕)のようなものだと説いています。ことばを楽器音に置き換えることによって、意味はうしなわれ、リズムの糟粕だけが残ります。

画像のメモは文字要素に対応する音群の覚書。打楽器のみの箇所もあるため、数字がところどころ抜けています。

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10

Summer Break

藤本功一

作曲・編曲・Mix:藤本功一
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11

Macrotonal Etude ED3-13

冷水ひとみ

作曲・編曲・Mix:冷水ひとみ
TUNING : Bohlen-Pierce ED3-13
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Bohlen-Pierce は、オクターブを持たないマクロトーナル音律(microではなくmacro) で、ED3-13 は、トライターブ、つまりCから始めるなら、ひとつ上のGまでを13に等分した平均律で、隣同士の音の距離は146.3セント(12平均律は100セント)という半音より広い音階になります。ですから、鍵盤上で”オクターブ上の同じ音名の音”に出会うことは決してない、という不思議かつ超難解なスケールといえます。実際、アコースティックピアノをこの音律に調律することは、ピアノの構造そのものを変えない限り不可能なのではないかと思います。こんな音律を試して遊べる時代になったことは感慨深いです。音楽をつくる中で、自分の手と耳と頭が、どうしてもオクターブ上の音を探そうとして右往左往してしまうことも新しい発見でした。

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この曲では、基音のちがう2つのBohlen-Pierceのスケールを光と影のように一対のものとして出したり引っ込めたりして使っています。

12

Le Petit Soldat

横川理彦

作曲・編曲・Mix:横川理彦
 Dan Bau:冷水ひとみ

このところ作曲の技法として興味を持っているのは、旋法と確率を用いたリズミックな自動演奏で、コンピュータが気持ちよくアドリブをする構造とか環境を作るのがおもしろいです。止めどなく永遠に演奏し変奏し続ける運動体の一部分を切り取って作品として固定するのですが、どこかの空間に設置して自動演奏のプログラムで数日とか数年とか流れ続けることを想像したりします。インストとして出来上がったところで、ふと冷水さんにダビングをしてもらうことを思いつき、べトナムの楽器ダンバウを重ねてもらいました。一気に柔らかくたおやかな雰囲気が広がって、素晴らしいです。

曲のタイトルはゴダールの「小さな兵隊」の原題ですけど、ダルデンヌ兄弟の「その手に触れるまで」とかも頭の中にあります。音楽が、共感と共存につながるといいなと思う、今日この頃です。

13

七月某日

磯部智子

作曲・編曲:磯部智子 Mix:横川理彦

前作でもう枯れた!と思いましたが、もうひとつ何とか絞り出すことができました。いつものとおり手癖頼みで、いくつかコレと思ったフレーズをしつこく組み合わせています。自分でわかる、弾ける範囲でしかアレンジできないので、どうにか楽器を弾けるくらいの人達が集まって合奏しているといった仕上がりになってしまいます。7月のある日にできたので深く考えずにこんなタイトルにしました。7月といえば梅雨の終わりの湿気と暑さで鬱陶しい頃ですが、夏の始まりで、日が長く、自分の生まれ月でもあり、1番好きな月かもと改めて思いました。

トイロ作家の皆さんの高尚で複雑な曲達が続いた後の最後がこの拙い曲で申し訳ないですが、クールダウン的に聴き流していただければと思います。

配信中です!

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